ボルボエンジンライブラリ B5244S5(S40/V50用ガソリンエンジン)

ボルボのエンジンラインナップをお伝えする、ボルボエンジンライブラリ。

今回取り上げるのは、懐かしの5気筒エンジン B5244S5 です。

もちろんDrive-E全盛の時代、5気筒エンジンは時代遅れ。でも、まだまだ中古では手に入ります。

華麗に主張するそのエンジンは、今も心の中に残っています。

ボルボ=5気筒エンジンの構図

ボルボディーラーとV50

そもそも、なぜボルボは5気筒エンジンを搭載したのでしょうか。

これには諸説あります。その諸説全てを信じることはできません。なにせボルボの関係者ではありませんからね。

この5気筒エンジンは、そもそも4気筒〜6気筒を生産できる、モジュラー型エンジンと言われています。

ポルシェのヴァイザッハ技術センターの力を借りて作られた、ピストン、バルブ、ベアリングに共通のパーツが使える、すぐれたエンジンです。

パーツの共有化は、もちろんコストダウンとバリエーションアップに使えます。現代のボルボは、Drive-Eという同じエンジンに対してターボチャージャーの数と過給の調整の違いで、様々なエンジンラインナップを用意しています。

当時も同じ考えで、モジュラー型エンジンとすることによりエンジンのバリエーションを増やしていたのでした。

高級路線には優位なマルチシリンダー

ところで、今回取り上げたB5244S5エンジンは、140ps。これに対して、B5244S4という、170psを出力するパフォーマンスエンジンが、そしてターボで武装したB5254T7という、230psを発するエンジンをラインナップしています。

これらのエンジンをメインに販売していた当時、ボルボはフォードグループの高級ラインナップを担当するポジションにいました。

PAGというのがそれで、つまり、高級車を販売しなくてはならなかったのですね。ではクルマを高級に見せるために、どうするかと言えば、エンジンのマルチシリンダー化は避けて通れませんでした。

2000年代前半、まだまだ直列6気筒エンジンを載せていたクルマもありましたし、米国ピックアップトラックはV6、V8と、マルチシリンダーがまだまだ主流。

ではボルボはどうかと言えば、販売ラインナップの中核を支えるS40/V50は横幅の制限があり、しかもFF駆動。6気筒は載せられる余裕がなかった。しかし高級路線は変えられません。

クラッシャブルゾーンの確保

そこで、適度にマルチシリンダー、適度に良いレスポンス。6気筒と4気筒の良いとこどりということで、直列5気筒がラインナップの中核を担うようになるわけです。

さらにボルボは当時、FFにこだわっています。衝突時のクラッシャブルゾーンの確保に、どうしてもFF横置き、さらに直列エンジンが必要だったのですね。

ということで、たまたま生産できる優秀なエンジンを開発できたこと、高級志向会社として経営されたこと、衝突安全性を吟味して、うまれたのが直列5気筒エンジンというわけでした。

明らかに高品質の5気筒エンジン

ボルボディーラーとS40

そのエンジンフィールは独特です。

直列4気筒よりは明らかに高く質のいいエンジン音。それでいて6気筒ほどにはフロントが重くなく、まさにいいとこどり。

ボア83mm、ストローク90mm、圧縮比10.3。ロングストロークエンジンで設計されていて、やはり低回転域のトルク重視です。140psしか出力しないエンジンですが、最大220Nmのトルクは意外と低回転から発揮されていて、シフトを変えずに高速道路で加速ができます。

鋭い加速!ということはありませんが、日本のエンジンのように「ブブブ」ではなく、「ボボボ」というボルボのエンジン音がたまりません。

さらに、ヒューっと微かな高音が、所有している幸福感を味わうことができるでしょう!

静寂性はまあまあ。これは吸音材などによるのでなんとも言えませんが、そもそもこのエンジン音を聞いていたいという欲求がわくので、まったく問題ありません。

DOHCエンジンで5気筒なので、昔風にいうと20バルブエンジン。170psバージョンのほうはVVTがついていて、高回転・高出力を達成しますが、街乗りでも高速道路でも、日本では使い切らないですね。

組み合わされるトランスミッションはアイシン製

V50のメーター

V50の最安モデル「Aktiv」や「2.4」でも、5気筒エンジンが搭載されていて、さらには5速ATが搭載されていました。メーカーはアイシン製 AW55-50。

ボルボとアイシンの組み合わせは、昔から存在しているのですね。

当時はまだまだ普通車は4速ATが主流で、6速ATがハイパフォーマンスモデルに搭載され始めた頃。無難に5速ATが組み合わされて、スペック上はしっかりと高級路線です。

しかし、最大ギアの5速は時速60km/h以上でようやく入るので、燃費には効果がありません。ボルボV50では10km/L前後で推移していましたね。

直結制御はあったかどうか、低回転域でも5気筒エンジンの気持ちいい高音のおかげで、もし滑りまくっていても気になりませんでした(^^)

徐々に4気筒エンジンに淘汰されていく

ヨーロッパでは徐々にダウンサイジングが浸透していくなかで、ボルボも5気筒エンジンから遠ざかっていきます。

S40/V50のモデル末期では、4気筒エンジンにスイッチして、しかも出力も燃費も性能を上げていきました。特に燃費という面で見れば、5気筒エンジンは4気筒に比べて、明らかに不利でした。

すばらしいエンジン音、それだけの為に、5気筒エンジンを残しておく理由はなかったわけです。

しかし、一番安いモデルでも満足感の得られる、しっかりとしたエンジンを供給する体制は今も変わらず、最新のDrive-EエンジンはV40 T2にもターボがおごられます。

どのモデルを購入しても、しっかりとした満足感を与えるボルボの考え方。世界中のボルボファンを満足させるポイントの1つだと思いますね。

搭載車種
VOLVO C30
VOLVO S40
VOLVO V50
VOLVO C70

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