長野県でのボルボフランチャイズディーラー「ヨコタインターナショナル」の契約解除については、様々なご意見を頂戴しました。
皆さんのご意見を読み、憤りを感じている方が多いことを感じる中、何かできないか?と考え、とりあえず内容をまとめて意見を言いなおす事といたしました。
この問題、終着地点はどのようになるのでしょうか?
ヨコタインターナショナルからの手紙
まず、ヨコタインターナショナルよりボルボユーザーへあてられた手紙を紹介します。
さて、弊社は1974年より正規ディーラーとしてボルボ車の販売、アフターサービスのご提供を開始し、本年で45年目が過ぎようとしています。これも偏に皆様の変わらぬお引立ての賜物と、この場を借りて感謝申し上げます。
しかしながら、45年に亘りボルボブランド、そして弊社ボルボスタッフに信頼を寄せて下さり、長年弊社をご愛顧賜る大切なお客様にお伝え申し上げなければ成らない事があり、本書簡を差上げました。
それは、誠に遺憾で大変辛い事ですが、2019年12月31日の契約満了日をもってボルボの歴史に幕を閉じなければならない事態に弊社は直面していることです。無論その日を迎える最後の1日までボルボ・カー・ジャパンと協議を重ね争って参る所存です。
発端は、飯田店及び佐久平店にて、ボルボ車以外の車両の展示販売及びアフターサービスの対応をしていたことです。お客様の利便性を考え、名だたる欧州ブランドの名車を長野・松本に行かなくとも最寄りの店舗からお買い求め頂けるようにしたい、豊で彩のある生活を名車と共に安心してお過ごし頂きたい、という想いから始まり、当時からの名残で2017年12月まで続けてまいりました。
その間、ボルボ・カー・ジャパンの歴代社長や弊社の担当者も両店を訪問しておりますが、その件について勧告もなく十余年の歳月が過ぎましたが、突如として2017年12月に佐久平店を、翌年2018年1月には飯田店の看板を降すよう、ボルボ・カー・ジャパンより言い渡されました。
まさに青天霹靂の出来事であり、以来弁護士を介して協議を重ね、時には日本を管轄するアジア支社に掛け合うため上海に赴きましたが、事態の収拾は図れず、冒頭の通り本年末を持って弊社のボルボの歴史に終止符を打たなければならない可能性が高い状況にあります。
双方の関係回復が困難な背景には、ブランド経営、ディーラー経営の在り方について、ボルボ・カー・ジャパンの考え方と埋め難いほどの相違があり、約1年と9ヶ月を掛け幾ばくもの協議を重ね要求通り改善をして参りましたが、双方の考え方が交わることは一度もありませんでした。
弊社の企業理念に標榜するとおり、創業以来「お客様の歓び」を第一に据え経営を続けて参りましたが、時代が移ろい、それが翻ってご迷惑をお掛けする結果に至ったことは申し訳が立たず、心よりお詫び申し上げます。
ボルボ正規販売店でなくなることで、弊社では新車保証に係る修理やボルボ・サービス・パスポートのメンテナンスといったボルボ固有のアフターサービスのご提供ができません。一方で、一般的な車検整備や定期点検、タイヤ交換などは、2020年1月以降も弊店で引き続け承ることができますので、今後とも変わらぬご愛顧を賜れれば幸甚に存じます。
尚、2019年11月下旬にボルボ・カー・ジャパンより正式なご案内がお客様宛に送付され、本ご案内の中で後継ディーラーが記載されるものと聞いております。弊社で承ることが出来ない固有のアフターサービスのご提供は、ボルボ・ネットワーク内の正規販売店であればどちらの店舗でもご入庫いただけますのでご安心ください。
最後になりますが、お客様お一人お一人のご理解とご支援、そしてボルボへの愛情こそがブランド価値であり、ボルボブランドの歴史は、お客様とボルボに携わる社員の歴史だと捉えております。
45年のボルボの歴史に幕を閉じなければならないことに断腸の念を覚えますが、商標や建物は無くなれど、ボルボを愛するお客様がいらっしゃればこそその”夢”は続いていくものと信じ、弊社社員に変わらぬご信頼を寄せて頂きますことを切にお願い申し上げ、本書簡の結びとさせて頂きます。
弊社は、原点である「お客様の歓び」と「社員の幸福」を会社の軸として据え、お客様と社員と共に次代を歩んで参ります。今後とも倍旧のご高配を賜りますよう、何卒宜しくお願い申し上げます。
令和元年10月15日
ヨコタインターナショナル株式会社 代表取締役社長 横田 明広
気になるのは、ヨコタインターナショナルが掲げているユーザーファーストが出来なくなっている点。以前ボルボからの勧告を受け、今は正しく営業しているという点。双方が譲らないのポイントは、きっとここなのでしょう。なぜ「きっと」かと言えば、ボルボ・カー・ジャパンからは何も発信がなく、正しい情報とは言えないからです。
今の段階では、南信方面はトヨタカローラ南信率いるNTPインポートが受け継ぐこととなっています。メンテナンス関係は一応、安心できますね。北信方面は不明。ヨコタインターナショナルのディーラーではメンテナンスは可能としながらも、VSP などの継続契約の絡むメンテナンスは出来ないとしています。
県に2店舗しか無い時点で不便なのに、さらに不便になるのは、ボルボ・カー・ジャパンへもヨコタインターナショナルへも不満が出るのは当然です。
両社へ伝えたい意見 聞きたい意見
さて、前の記事ではヨコタインターナショナルを応援する意味でも、レクサス関係の販売網を持つトヨタカローラ南信の出現も相まって、ボルボは闇が深いというような内容となっていました。
自分の好きなものを誹謗中傷する記事は、目を背けたくなるものです。好きなものは好きでいたい。ネガティブ発言はイライラする。 わかります。当然です。 好きで買ったものだから。惚れ込んで決めたものだから。簡単に手放せないものだから。 […]
個人的な意見ではありましたが、最悪は「ボルボの社長の利益」にまで繋がる、そう考えられてもおかしく無いんだぞ。そのような警告も含んだ記事としていました。
しかしユーザー目線で言うならば、ボルボの闇であるとかヨコタインターナショナルの利益であるとかは関係なく、販売網、サポート体制をしっかりして欲しいと言うのが誰もが望むことに違いありません。
いまこの2社は明らかに、ユーザーの為にならない判断をしようとしています。その2社に対する私の意見を考えなおしてみました。
ヨコタインターナショナルへ
ボルボとの折り合いがつかないと言っていますが、その折り合いとはどうしても我慢ならない事なのでしょうか?
もしユーザーサポートを大事に思うのなら、ヨコタインターナショナルの考え方を曲げてでもディーラーを続けるべきです。
本社がブランド戦略を大事にしたいというのであれば、フランチャイズであるあなた方もブランド戦略を大事にする。その時に大事にするブランドとはボルボ。ヨコタではありません。
ヨコタインターナショナルとボルボ・カー・ジャパンとの間のブランド戦略、ディーラー経営方針の違いが大きいと書かれていますが、どちらかが断念するしかありません。
曲げられないのであれば、ボルボを販売できなくなるという危機に直面、などと書かずに、あっさりと契約解除すればいい。客観的に文面を見れば、相手(VCJ)を悪者にした、ユーザーへ媚びた書き方をしていると見えてしまいます。
100年起業を目指すのでしょう?FC契約の意見の食い違いなどカユいものでしょう。優先したいのは、体面なのか利益なのか、絆なのか。ユーザーファーストだったあなた達なら、正しい答えを持っているのではないですか?
あなた方にとって、ボルボというブランドはどれほど大事なものなのか、ぜひ教えて欲しいです。
ボルボ・カー・ジャパンへ
地方での物の販売論理を理解しているとは思えません。行き過ぎない限り、特例は認めるべきです。もちろん条件付きですが。
今回コメントで、ボルボの看板の下にフィアットが並んでいた、という話を頂きました。たしかに良くありません。輸入車はメーカー自体がブランドだ。ボルボというブランドを好む人にとって、他社の車があることは違和感。行き過ぎを是正するのは正しいです。
しかし是正するのなら、本社社員を派遣して現場を指導させるなど、方法はあるはずです。その結果、ボルボだけでディーラーが成り立つのか、併売でないと成り立たないのか、そして本社社員の指導の実力も踏まえて、判断できることでしょう。
地方都市、地場の企業。この時働く力は絆だと私は思っています。
人と人とを繋ぐ絆は、贔屓の企業から車を買うとか、知り合いの兄弟が務めているところを選ぶとか、色々な力が働きます。その良し悪しは別として、都会に無い力が働くことくらい、理解して欲しいですね。
また、良い会社には批判は立たないものです。正しく無い経営をしていた会社を切るというのに、ボルボ・カー・ジャパンが責められることは、本社であったり、社長であったりの中央で働く方々に対する世間の見方が悪い証拠です。理解されておりますでしょうか?
両社へ
企業間の取引でしょうから、部外者が口を挟むことは無視をしたって構いませんが、明らかにお互いに傷が残ることは覚悟してください。
すでに話し合われているとは思いますが、例えば本社からの是正に従わないとか、過剰に現場に指導をするとか、非協力的で行き過ぎな行いは避けてください。
もしも、ボルボディーラーとしての商売だけでは食べていけないのなら、ヨコタインターナショナル とボルボ・カー・ジャパンとで協力を惜しまないでください。
もちろん、普通のビジネスの上で問題があるのなら、裁判で争うなりするといい。裁判をしないのは、片方が理不尽を言っていることを意味しており、それを互いが認めている証拠。もしくは、結果的に契約解消を望んでいるということでしょう。
つまり、共犯者です。せめてユーザーの利便性を損なわないように、しっかりと調整することを期待しています。
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勝手な意見の末路
という、勝手な意見をまた書いてしまいましたが。。。
今回、皆様のコメントが相当な数でありましたかし、私も将来は信州に住みたいと思っていますから、もう少し突っ込んでみたいと思います。
具体的には、ボルボのブログaboutVOLVOからの発信であるという事を知らせた上で、先ほどの意見をヨコタインターナショナルさんへメールを出してみようと思います。
ヨコタインターナショナル含め、地方FCディーラーとボルボ・カー・ジャパンとの関係とはどのようなものなのか。ディーラーの善意とはいったい何なのか。私はそこに興味があります。
そして、翻弄されるユーザーに対する、終着地点はどのように提供されるのか。
この問題は果たして、ディーラー切りなのか、VCJの正当な行動なのか。
私の力は小さいですが、ひとつの決着を見る事ができ、ボルボユーザーに少しでも真実が伝えられればと思っています。
メールの返信については、有無も含め、返信があり次第お伝えします。