小変更の不都合な真実 V60 2020年モデルに 価格据え置きは嘘

ボルボV60シリーズの小変更 値上げは最高で25万円

ボルボV60とV60 CrossCountryが小変更で、2020年モデルに切り替わります。

今回の小変更では、「360度カメラをMomentumに標準装備」をプレスリリースで発表。そして「価格は据え置き」としています。

いい改良だね!と思いたいですがまてまて。ボルボ・カー・ジャパンさんは、装備追加はしっかりと価格に反映させてきます。今回はV60のモデルチェンジ情報と共に、カタログから見えてくる「価格据え置き」のカラクリを紐解いてみましょう。

V60シリーズのモデルチェンジの発表内容

Volvo V60 CrossCountry タイヤ
写真は2019年モデルのV60 CrossCountry

ボルボ・カー・ジャパン株式会社(代表取締役社長:木村隆之、本社:東京都港区)は、プレミアム・ミッドサイズクロスオーバーV60 Cross Countryの一部仕様と価格を変更して本日より発売します。

今回の仕様変更では、これまで上級グレードのT5 AWD Pro に標準装備だった「360°ビューカメラ」がベースグレードのT5 AWDにも標準装備されました。「360°ビューカメラ」は、車両の周囲に装備されている4個のカメラを使用して真上から見下ろしている映像を作成し、センターディスプレイに表示します。

自車と周囲との位置関係をひと目で確認することができ、障害物の有無などの周辺状況を把握しやすくなります。リバースギアにシフトすることで、センターディスプレイに360°ビューの映像を表示できるほか、ステアリングホイールの操作に応じて自車の予想進路をガイドラインで案内するリアビューカメラの映像を表示することも可能です。

※今回の仕様変更による価格の変更はありません。

出典:VOLVO CAR JAPAN PRESS SITE

このほか、V60には「V60 T6 TwinEngine Momentum」の追加の発表、バッテリー容量の変更によるEV走行距離の増加が発表されました。

(同日、V90 D4の特別仕様車ノルディックエディションも発表されています。)

意欲的な小変更。360°ビューカメラは、ワゴンではいらないと言い切っていたVCJですが、要望が多いのか標準装備化です。TwinEngineのMomentum化も、プラグインハイブリッドの裾野を広げる良い戦略です。

全モデル電動化を狙うボルボにとっては、中核ワゴンを中心に電動化してゆくのは得策。メーカーと販売会社(ボルボ・カー・ジャパン)が協力し合い、同じビジョンに向かって行く姿を見せる。もう、後戻りはしない意思をヒシヒシと感じます。結果、ボルボV60は半分以上が電動モデル化したわけですね。

V60 の 2020年モデル価格

グレード名価格
V60 T5 Momentum¥4,990,000
V60 T5 Inscription¥5,990,000
V60 T6 TwinEngine Momentum¥6,590,000
V60 T6 TwinEngine Inscription¥7,590,000
V60 T8 TwinEngine Inscription¥8,290,000

V60 T5 Inscriptionから60万円乗せると、V60 T6 TwinEngine Momentumが手に入ると。。。新しい悩ましさが登場です(^^)

T6 / T8 TwinEngine Inscriptionはさりげなく10万円の値上げ。これはなんぞや?

V60 CrossCountryの2020年モデル価格

グレード名価格
V60 CrossCountry T5 AWD¥5,490,000
V60 CrossCountry T5 AWD Pro¥6,490,000

こちらはAWD+最低地上高アップモデルのCrossCountry。なんと、Inscription相当の V60 CrossCountry T5 AWD Proと V60 T6 TwinEngine Momentumとの差はたったの10万円!

絶妙な価格差で攻めてきた

V60登場直後、AWDを求めていた人の選択肢は、基本的にCrossCountry待ちでした。なにせTwinEngineは高い。表を見ればわかりますが、T5からT6 TwinEngineへの価格追加は160万円です。いくら燃費が良いとしても、環境のためだよ、160万円多く出そうよ、とは言えないわけです。

 

「なあ母さん、これからの環境の事を考えて、160万円追加してTwinEngineなんてどうかな。」

「あら素敵。なら立派な充電設備を用意しなくてはね。」

なんてなるわけ無いのです。ご飯のおかずは生卵でいいから。納豆でいいから。そう説得しても環境のための160万円は大きかった。

ふくさとの伊勢うどん
生卵は万能ですが?

いえ知ってます(^^;)生卵と納豆がセットであれば、ごちそう級になるのは知っています!ネギもあると嬉しい!いやそうじゃない!

 

しかし、10万円差ならどうでしょう?

「なあ母さん、これからの環境の事を考えて、10万円追加してTwinEngineなんてどうかな。シートはT-TECテキスタイルだし、サウンドシステムは標準タイプだけど環境優先だよね。」

「あら素敵。なら、サウンドシステムくらいなら追加オプションでHarman/Kardonをつけても良いわよ。」

おはらい横丁のつばめ
ピヨ?僕の事も考えてくれるの?

うん、考えるよ。。。小鳥は大好きだからね。。。と父が言ったかどうかはさておき、10万円差ならこれが成り立つのです!

今回の小変更は、V60 T6 TwinEngine Momentumあってこそ光る小変更ですね。

オプション構成に値上げトリックが

ところがどっこい、手放しに喜べる小変更ではありませんでした。オプションでかなり手を加えています。もし今の時期にV60シリーズを狙っていたのなら注意が必要です。

標準装備の追加/解除

装備/機能追加装備/機能外し
ステアリングアシスト付きBLIS(機能追加)

360度ビューカメラ(Momentumへ標準装備)

本革シフトノブ(T6 TWのみ)

運転席8ウェイパワーシート(Momentum レザーパッケージ化)

テイラード・ダッシュボード(Inscription プラスパッケージ化)

ワンタッチ分割可倒式シートバック(全車 ワンタッチ機能レス化?確認中)

AMラジオ

360度ビューカメラが付いた代わりに、運転席8ウェイパワーシートはレザーパッケージへのセットオプションとなりました。

また、テイラードダッシュボードがプラスパッケージへのセットオプション化。え?Inscriptionの内装はMomentumと同じになるの?

オプション装備表

セットオプション内容価格新設/廃止
レザーパッケージ(MY2019)

(Momentum用)

●本革シート

●フロントシートヒーター

●助手席8ウェイパワーシート

●キーレスエントリー/KEY TAGリモコンキー

●パワーテールゲート

¥400,000廃止
レザーパッケージ(MY2020)

(Momentum用)

上記に加え

●運転席8ウェイパワーシート(ドアミラー連動)

●ダークテインテッドガラス

¥450,000新設
クライメートパッケージ

(レザーパッケージ必要)

●ステアリングホイールヒーター

●リアシートヒーター

●ネットポケット

¥60,000新設
プラスパッケージ

(Inscription用)

●パノラマガラスサンルーフ

●ステアリングホイールヒーター

●リアシートヒーター

●テイラードダッシュボード

●19インチアルミホイール

¥400,000新設
プラスパッケージ

(CC Pro用)

●パノラマガラスサンルーフ

●ステアリングホイールヒーター

●リアシートヒーター

●テイラードダッシュボード

¥330,000新設
プラスパッケージ

(Inscription TwinEngine用)

●ステアリングホイールヒーター

●リアシートヒーター

¥60,000新設
パノラマガラスサンルーフ¥206,000変更なし
メタリックペイント(MY2019)¥83,000廃止
メタリックペイント(MY2020)¥90,000新設
クリスタルホワイトパールペイント(MY2019)¥103,000廃止
クリスタルホワイトパールペイント(MY2020)¥110,000新設
Bowers & Wilkinsオーディオ(Momentum)¥420,000廃止
Harman/Kardonオーディオ(Momentum)¥110,000新設
ドライビングモード選択式Four-C不明変更なし

お分かりいただけたであろうか。。。。

レザーパッケージは8ウェイパワーシートとダークテインテッドガラスを追加し、5万円の値上げ。妥当ではありますが、この値上げは発表せず。

クライメートパッケージは新設。2020モデルのトレンドになりそうです。

プラスパッケージは驚き!Inscriptionシリーズは昨年、テイラードダッシュボードを強制標準化し値上げをしました。今回はその標準化を外した、と思ったら、なんと40万円のパッケージオプションへ組み込み実施!これではInscriptionとMomentumとの「内装の差」がなくなる以上に、価格的敷居が高くなるばかりです。ボルボ・カー・ジャパン様、誰得ですかこれ?

もちろんCrossCountry Proのテイラードダッシュボードもセットオプション化。こちらは33万円。なるほど19インチアルミはCrossCountryには要りませんからね。。。

メタリックペイント、クリスタルホワイトパールペイントは各々7,000円の値上げ

そして今回私が大変残念でショックを受けているのが、Bowers&WilkinsオーディオをMomentumのオプションから外した事。代わりにHarman/Kardonへ変更です。オプションの幅があって魅力のあったV60ですが、これで魅力半減。

 

つまり、VOLVO V60 2020年モデルへの小変更も、しっかり値上げでした。

寸劇(笑)

ボルボのカーオーディオHarman/Kardon

つまり今回の小変更は、まさに先ほどの「父」と「母」のやりとりを再現する為のものでしょう(笑)

もしも2019年モデルのように、Harman/Kardonがオプション化されておらず、Bowers & Wilkinsオーディオしかなかったら、環境に気を配って良い奴ぶっても追加のご褒美がないわけで!

 

「なあ母さん、これからの環境の事を考えて、10万円追加してTwinEngineなんてどうかな。シートはT-TECテキスタイルだし、サウンドシステムは標準タイプだけど環境優先だよね。」

「あら素敵。なら、充電設備もつけなくてはならないから晩御飯も節約して環境優先にしましょう。」

 

となるわけです。。。ぐぬぬVCJ、世の中のお父さんの腹のなかを、ここまで読んだのか。。。

 

いや読んでいない!

 

憧れのオプション「Bowers&Wilkins」にしようか、「レザーパッケージ」にしようか、ちょっと無理して両方つけようか。これがMomentumの魅力だったはずです。

ヘッドアップディスプレイも360度ビューカメラも我慢できる。そもそも今までも、こんな装備なくったって問題なかった。Momentumプラスオプションで楽しみたい!というお父さんたちを裏切りました。

なぜここまで誠意の無い会社なのか

 

そもそも何故、ここまでして商品単価を上げるのか。

木村社長は、「顧客満足度の評価は、リピート率」と言っていました。(詳しくはこちらの記事「コラム ボルボよ慢心せずユーザーに寄り添い心を掴め」)ディーゼルをやめて、商品の価格をセットオプションで釣り上げて、いったい誰がリピートしてくれるというのでしょう。

思えばXC60は、2代目登場時から2年間で40万円の値上げがありました。V60は実質レザーパッケージが標準装着されていて、今回で言えば360度ビューカメラの標準化に伴う値上げです。価格は据え置きなんて、嘘じゃないか!

テイラードダッシュボードにしたって、XC60では15万円のオプション装備でした。Inscriptionは今回、そのテイラードダッシュボードをオプション化しています。なのに定価は変えていないんです。これは値上げです!

資料上で値上げがなかったとしても、実際には値上げなのです。「やはり360度ビューカメラの要望が多いので、5万円値上げするけど標準装備にしますね。」と何故言えないのでしょう。どんなに良い車を作ろうとも、現地販売法人で台無しになる。ボルボ・カー・ジャパンだけでなく、別の販路も作った方が良いですよ、ボルボさん。

V60 2020年モデルへの小変更まとめ

なんだか、ボルボ・カー・ジャパン(VCJ)を褒め称える話が書けなくて寂しいです。

今回の小変更の要点は以下の通りです。

  • V60 T6 TwinEngine Momentum 追加
  • 一部機能改善(BLIS、バッテリー容量アップなど)
  • V60 Momentumと V60 CrossCountryへ 360度ビューカメラ標準化
  • V60 Momentumと V60 CrossCountryの運転席パワーシートのレザーパッケージオプション化(5万円値上げ)
  • V60 Momentumと V60 CrossCountryのオーディオオプションの変更(Bowers & Wilkins からHarman / Kardonへ変更)
  • V60 Inscription と V60 CrossCountry Proのテイラードダッシュボードのプラスパッケージオプション化と、それにも関わらず価格変更なし(つまり15万円の値上げ)
  • V60 T6 / T8 TwinEngine の値上げ(10万円。バッテリー容量増加の為か?)

つまり・・

MomentumやCCは魅力的なオプションの欠ける普及型モデルに。
InscriptionやProはテイラードダッシュボード+謎の10万円で最高25万円の値上げ。テイラード欲しかったらサンルーフつけろ?

装備変更による価格改定は仕方がありませんが、装備を外す事による価格ダウンが無いのはおかしいです。

消費者をナメないでもらいたい。最後にボルボ・カー・ジャパンにそう伝えて、今回はお開きといたします。

 

ここまで読んでいただき、ありがとうございました!

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