ボルボヒストリー シートベルトは世界すべての幸せの為に

  • 2018年12月22日
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ミニバン、トール型軽自動車。クルマが移動中に、クルマの中で動き回っているのをまだまだ目撃します。

もしもこの状態で自動車が事故にあったら、立って歩いていた幼い子は、どうなるのでしょうか。

きっとクルマのいろいろな場所に衝突。掛け替えのない命を落とすことになるでしょう。

「義務だからつけている。」

「子供はシートベルトをつけるとウルサイから、外している。子供がウルサイと運転に集中できない」

こんな考え方でハンドルを握っているようなら、ドライバー失格です。

人や物を運ぶことを目的として開発された自動車。ただ移動の手段としてだけ捉えているのなら、それは間違い。

人や物を「壊さずに安全に」運ぶ。これこそ自動車に課せられた、最小限の役割です。

特許料無償開放のボルボの3点式シートベルト

出典:Volvo car japan https://www.volvocars.com/jp/

ボルボの長い歴史の中で、一際輝くのが「3点式シートベルトの特許無償開放」。

安全は独占されるものではない、という考えから、ボルボは自らが発明した3点式シートベルトの仕様を公開。すべての自動車に取り入れられていきます。

これは確かに素晴らしいことですが、実はシートベルト自体を発明したのはボルボではありません。

ではなぜ、ボルボ=シートベルトの生みの親となったのでしょうか。

それは、ボルボがシートベルト開発の為に雇い入れた、ある人物が関わっています。

シートベルトもまた戦争の産物

出典:https://ja.wikipedia.org/

1900年前半は、世界で戦争が繰り広げられていた時代です。

戦車、大砲、歩兵の時代から、飛行機での戦争に移り変わっていく時代。自動車の開発よりも戦闘機の開発が盛んに行われていた時代でした。

飛行機を操るのはもちろん人間。現代のように、無人飛行機などなかった時代です。

人間、つまりパイロットを養成するには、時間もお金もかかります。そして戦争に向かえば、ひとつの爆撃で優秀なパイロットを失うことにもなります。

もちろん戦闘だけを言えば爆撃されることは致し方ないのですが、偵察や移動の途中の機器トラブルで失うことは、簡単に言えば無駄死にですね。

そこで、戦闘機からパイロットを脱出する機構が考えられ、シートごと飛行機から飛び出す「射出シート」が開発されるようになります。

スウェーデンの戦闘機メーカー「SAAB」でも例外なく、この射出シートを開発していました。

シートの開発に携わっていたニルス・ボーリン(1920年〜2002年)は、スウェーデン生まれのエンジニア。この人が、世界でもっとも優秀な3点式シートベルトを開発します。

本格的に普及していなかったシートベルト

出典:https://ja.wikipedia.org/

3点式シートベルトの開発前、2点式シートベルトが存在しましたが、普及しているとまでは言えませんでした。

2点式シートベルトはお腹周りに取り付けられるため、事故にあった場合に内蔵への負担が大きく、安全であるとは言えません。シートベルトは、どちらかと言えば上下が反転する戦闘機や、身体へGがかかるレースカー用のものだったのです。

(レースカーにしても、クラッシュしたときにすぐに逃げられるようにと、装着していないことも多かったと言います。)

ボルボは、来たる自動車の高速化での事故を懸念し、SAABで航空機用4点シートベルトを開発していたニルス・ボーリンを最高安全技術者として雇い入れます。

こだわったのは装着方法

出典:Volvo car japan https://www.volvocars.com/jp/

ニルス・ボーリンは言います。

「自動車用シートベルトでは、上半身と下半身の両方を、胸と腰に1本ずつのベルトでしっかりと固定する必要があることに気付きました。

乗員の腰で支えられるため、衝突時に身体を適切に守ることができました。

しかし、シンプルで効果的で片手で便利に装着できる解決策を見つけることが問題でした。

ニルス・ボーリンは約1年をかけて、「片手で便利に装着する方法」を開発します。いまの自動車のシートベルトがそうですよね。

大人も子供も、誰もがクルマに簡単に乗り、安全に移動する。その目的を忘れたら、このような素晴らしい仕事はできなかったに違いありません。

その適切な装着方法、固定位置を開発したのが、ニルスボーリン。そしてこの機構を最初に標準装備したのが、ボルボだったのです。

普及にも力を尽くすボルボとニルス・ボーリン

出典:https://ja.wikipedia.org/

なお、世界で最初に最初にシートベルトを標準装備したのは、SAAB。1958年のことでした。

ボルボが3点式シートベルトを初めて標準装備したのは1959年。わずか1年後の事です。

 

しかし、人間は基本的に拘束されるのがキライなのでしょう。このシートベルトは肩から腰まで斜めにかかるため、事故の時に首が切れるなどとアリもしない批判を受け、装着されない事も多かったと言います。

適当な理由をつけて宝の持ち腐れになるのは、今も昔もかわりませんね(^^;)

 

ニルス・ボーリンは約28000件にも及ぶ事故調査を実施。シートベルトを装着した人たちが、一定速度以下では怪我をしないことを立証します。

この、たくさんのサンプルを徹底的に調べる構図。まさにボルボですよね。

これにより、3点式シートベルトの安全性は徐々に浸透。1970年、オーストラリアのビクトリア州で世界で初めてシートベルト装着義務が法整備され、シートベルト義務時代が始まるのです。

現代のシートベルトは快適!

出典:Volvo car japan https://www.volvocars.com/jp/

より多くの人に、より多くの安全を。

シートベルトを着けない人もターゲットに入っているでしょう。誰もがシートベルトができるように、ボルボも含む現代のシートベルトには、様々なアイデアが組み込まれました。

拘束が強く不快だと、装着率が下がります。そこで開発されたのは「プリテンショナー装置」。

通常は緩めに身体に巻かれて不快感を下げておき、いざ必要になった時に火薬をつかってシートベルトを強く引きます。これにより乗員はシートに強く引きつけられ、前方に投げ出されることを防ぎます。

ボルボのそれは、「電動プリクラッシュ・テンショナー」。センサーとコンピューターの計算によって衝突を予測し、なんと実際に衝突する前に、乗員をシートに固定します。(フロントシートのみ)

また、あまりの衝撃の強さ、そしてシートベルトの引き込みによって、身体に負担がかかる事もわかってきました。そこで、一度強く引き込んだベルトを徐々に緩めていく、フォースリミッター機構が取り入れられました。

これらはすべて、あなたとあなたの大事な人を守るためのもの。どうして装着されているのか、よく理解してください。

大事なのは命を守るためのあなたの行動

photo:about-VOLVO
遠くの山々を見ている娘。

ボルボユーザーなら、シートベルトをしないなんて考えられませんが。。。

大事な人がシートベルトをせずにくつろいでいるのなら、ドライバーであるあなたは責任を持ってシートベルトを装着させてください。

「あなたが運転するから安全でしょ」なんて言葉に惑わされないで。事故は突然に起こるものです。

シートベルトの標準装備を待たずに事故で亡くなった方が、たくさんいることを理解してください。

誰もがその死を望まず、誰もが先の人生を楽しみたかったのです。

 

自動車に乗っていれば誰もが関わる、事故のリスク。これをすべての方向から、できるだけ軽減しようというボルボ。自動車による死傷者0を目指すことは、すべての人々に明るい未来を指し示します。

安全装備の装着を、積極的に支持していきたいですね。

この記事は独自研究記事です。

参考文献:Wikipedia / INDEPENDENT / Lemelson-MIT

 

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