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エンジンの終末と未来 序章 現代のパワーソース

会社で仕事をしている時、思う事があります。なんでこの車はガソリンで走っているのだろう?

どうしてガソリンが環境にいいと言えるのだろう?

車重が1,140kgの日産NV150 ADが、1.5リッターガソリンエンジンで8km/L。

車重が同じく1,140kgのホンダフィットハイブリッドが、1.5リッターハイブリッドで15km/L。

車重が1,170kgのトヨタカローラフィールダーが、1.5位リッターハイブリッドでやはり15km/L。という、過酷な神奈川県の市街地において、車重が1,650kgのボルボV40 D4はやはり15km/L走るのです。

少なくともNV150は無いかな?お金がないからとガソリンを無駄にしているようなものだし。

いや、バッテリーは製造に環境を破壊していないか?遊星ギヤは?もしかしたらトランスミッションは無駄ではないのか?ディーゼルはどうなのだろう?やはり今後はガソリンハイブリッドやPHEV、そしてEVへの移行だろうか?

という悩みが尽きない昨今を考え、このシリーズでは、自動車のパワーソースの将来を考えていきたいと思います。

 

シリーズの趣旨

川崎市浮島 工場地帯 V40の絶景写真

まずはじめにお断りを。

このシリーズでは、(いつものaboutVOLVOの記事のように)闇雲にディーゼルエンジンを褒め称え、お勧めしていく記事ではありません。同じく、EVやPHEV、ガソリンエンジンを褒め称えるものでも、否定するものでもありません。

自動車のエンジン の大転換時期に入るこれから、パワーソース選びに、とても大変な時期がやってきます。自動車を所有する以上、エネルギー問題とは常に隣り合わせになることでしょう。誰もが一番良い選択をしたいと考えるはずです。

例えばディーゼルゲートのように、予想もしなかった事が起きることもあります。すると自分の所有する車の価値が上がったり下がったりしている気がするでしょう。間違った選択をしていると気に病むことにもつながります。

ですが肝心なのは、自分が理由をしっかりと持って、そのパワーソースを手にしている、という確信を持つことです。自分の選んだエンジンは、作られた時の希望を全うしていると感じることです。

道具は使命を持って製造されます。その道具を開発することに、汗水垂らした人がいます。作成された当時は最先端のものだった。その時の最良だった。価値は変わらないはずです。

その自信をつけるために、このシリーズ記事にどうぞお付き合いをよろしくお願いします。

 

現代(2019年)のエンジンバリエーション

見出し用写真 DRIVE-E

第一回目は序章です。

自動車のパワーソースについて、どのようなものが在るのかをオサライしておきましょう。各々の良い点、悪い点もピックアップしておきます。シリーズが進むにつれて、それらの要点も理解していこうと思います。

パワーソースには私のわかる範囲内で、次のようなバリエーションがあるとわかっています。

  • ガソリンエンジン
  • ガソリンエンジン+電動ハイブリッド(プラグインハイブリッド含む)
  • ガソリンエンジン+電動補助マイルドハイブリッド
  • ディーゼルエンジン
  • ディーゼルエンジン+電動ハイブリッド
  • ディーゼルエンジン+電動補助マイルドハイブリッド
  • 水素エンジン自動車
  • 燃料電池自動車
  • 天然ガス自動車
  • バッテリー駆動電気自動車

なお、ガスタービン車や木炭車など、主流にならなかったものや技術開発中のものは記載いたしません。(ボルボECCなんてものもあります・・・三菱が東京モーターショーで出すようですが。)

これらエンジンの要点を見ていきましょう。

 

ガソリンエンジン

いま最も販売されているタイプのエンジンですね。使用燃料はガソリン。原油の約25%から生産されます。(そのすべてが自動車用ガソリンというわけではありません。)

エンジン音が静かで滑らかなのが特徴。空気と混合されてエンジン内部へ吸入、スパークプラグで引火し爆発力を得ています。-40℃で引火と言いますから、ガソリンエンジンの温度管理は大変なものでしょう。

ガソリンは燃焼することで二酸化炭素と水に変わりますが、燃焼具合により一酸化炭素(CO)、窒素酸化物(NOx)、炭化水素(HC)が発生します。ただし、これらは三元触媒で除去ができます。

CO2はディーゼルエンジンの1.5倍前後発生させます。

(ボルボでは T2  T3  T4  T5  T6が該当)

 

ガソリンエンジン+電動ハイブリッド

内燃機関は低速トルクがなく、トランスミッションやクラッチによって燃費を悪くしながら車をスタートさせます。

その苦手な部分を電動モーターにアシストさせるのがハイブリッドカー。ブレーキによる回生エネルギーをバッテリーに蓄え、発進時に蓄えた電力で加速を助けます。

また、低負荷の巡航を電動モーターにまかせ、エンジンの出番を少なくすることで燃費を伸ばすこともできます。その為の電力を外部からの充電でまかなうことができるようにしたものが、プラグインハイブリッドです。

環境負荷はガソリンエンジンより少なく見えますが、新たな部品の追加、バッテリーの生成で、生産時はガソリンエンジンよりCO2を多く排出。また、車両重量の増加、価格の上昇など、悪い面もあります。

(ボルボでは T6 T8のTwinEngineが該当)

 

ガソリンエンジン+電動補助マイルドハイブリッド

ハイブリッド車のような大きなバッテリーを搭載せず、小型モーターと小型バッテリーをセルモーターと統合して発進時のアシストを行います。

車両重量を気にする必要がない他、アイドリングストップ状態からの復帰がスムーズなのが特徴です。

 

ディーゼルエンジン

ガソリンエンジンに次いでシェアを誇るディーゼルエンジン。軽油の熱効率の良さや、燃焼方式がガソリンエンジンと違う為に空気弁が必要なく、ポンピングロスがありません。

ガソリンエンジンに比べて約10%燃焼効率が良いとされています。また、大きなトルクを持つのも特徴にあげられます。

反面、空気を圧縮し燃料を噴霧することで着火する為、気筒内にムラがうまれてしまい、PMを多く排出してしまいます。また、ガソリンのように三元触媒でNOxを浄化できません。

ガソリンエンジンよりエンジン自体が丈夫なのはいいのですが、その丈夫なエンジンによるものや、排ガス浄化装置により重量はかさんでしまいます。

(ボルボでは D3 D4 D5が該当)

 

ディーゼルエンジン+ハイブリッド

ガソリンエンジンと同様、負荷のかかる領域を電動モーターでアシストするのがハイブリッドです。ガソリンに比べると低速時のトルクに優れるディーゼルエンジンですが、排出ガスに難があるので燃焼で負荷をかけないようにするハイブリッドは有用です。

問題は、ただでさえ重量のかさむディーゼルエンジンにハイブリッドユニットとバッテリーをつけるので、さらに重さが増すということです。

(ボルボでは以前欧州で販売されていた D5 TwinEngineが該当)

 

ディーゼルエンジン+電動補助マイルドハイブリッド

重量増を最小限にして、ディーゼルエンジンの一番苦手なところを補助するマイルドハイブリッド。その主な目的は、セルモーターによるアイドリングストップからの復帰に伴うショックの削減と見ていいと思います。

もちろん低回転域をアシストするので、燃費に有利なことは間違いありません。

(ボルボでは B4 B5が該当)

 

水素エンジン

水素を燃焼させるレシプロエンジン。水素を燃焼させるのでCO2は排出されないが、NOxが排出されます。ただし、ガソリンほども出しません。

燃料タンクを丈夫なものにしなくてはならないこと、水素をつくるのに二酸化炭素が発生するなど、課題が多く普及までは道のりが長いと言えます。ただ、日本では工業において水素を破棄しているとされていますから、これを有効に使えれば将来は有望かもしれません。(破棄する水素は年々減少しているとも言われています。)

 

燃料電池自動車

トヨタ、ホンダの取り組んでいる、水素を空気と化学反応させてできる電気を使ってモーターを動かす自動車です。水素エンジンやハイブリッド、電気自動車の技術を組み合わせてつくられています。

特に排気ガスで有利になり、水しか排出しません。走行面でのデメリットは皆無ですが、丈夫な水素タンクとバッテリーを搭載するので、重量が重くなります。

また、水素自動車と同じく「水素の生産」に労力が必要です。

 

天然ガス自動車

日本ではタクシーなどに多く見られる、天然ガス(LPG)を燃焼させる自動車です。エンジン自体はガソリンエンジンやディーゼルエンジンのエンジンブロックを流用でき、補機類を変え、燃料タンクを変更するだけで使用可能です。

天然ガスは石油の副産物として生産され、単体で輸入されます。ゆえにコストが安く、軽油に比べても1リッターあたり25円安いというメリットもあります。

排気ガスも比較的クリーンで、ディーゼルエンジン以下に抑えられます。次世代エネルギーとしても注目されていますが、製造コストが高いこと、石油の副産物として生産する場合でも燃料電池用の水素を生産したほうが良いことなどから、今後の普及は難しいかと考えられています。

 

バッテリー駆動電気自動車

各自動車会社が次世代の自動車として開発を急いでいる、電気自動車です。充電時間や走行距離に目処がついてきた為、今後普及が見込まれています。

最大の特徴は、排出ガスを出さないことです。もちろん発電所では必要な電力分CO2を排出すること、バッテリー生産時にもCO2は生まれることから、完全に二酸化炭素を排出しないとは言い切れません。

ただしこれは発電所側の努力により低減させることができること、現時点でも走行時の排出ガスはガソリンエンジンの60%以内に収まることなどから、一気に二酸化炭素を削減できる可能性があります。

水素や天然ガスに比べても、インフラは自宅への充電設備の取り付けで済むこともメリットです。

 

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最大の焦点は「二酸化炭素の排出を減らすこと」ではない

ボルボV40と林道

各エンジンを見ていただきましたが、まだまだ一長一短で、本流がどうなるのかは見当がつきません。一応は電気自動車が将来有望と見られていますが、発電所の排ガス削減がキーになってきます。

それでも電気自動車にしたいというのは、結局のところエネルギーを生産できる国かどうか、という点に関わってきます。つまり、産油国がエネルギー情勢をコントロールしている世界から脱却したい、と考えている国は、ガソリンから電気へ移行したいと考えるからです。

現状、どの自動車を選んでも二酸化炭素は広義には排出しています。これを抑制すること、自然エネルギーの世界へ進むことが、日本やドイツの考えと言えます。

各国の問題点も絡めながら、自動車のパワーソースについて考えていきましょう。

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