コラム ボルボよ慢心せずユーザーに寄り添い心を掴め

批判記事です。木村社長へのインタビューから、顧客を向いていないボルボ・カー・ジャパンが見えてきます。

2019年5月14日日付の週プレニュース/エキサイトニュースに木村社長へのインタビューが掲載されました。

ボルボ・カー・ジャパンの社長が語る「日本戦略」「電動化」「自動化」“という題名です。

いまノリに乗っているボルボカージャパンがどのような統率でシェアを伸ばしているのかが分かると思い、読んでみました。結果から言うと、私の風邪が治るくらい刺激的でした。

掲載内容の要約

先に読んでいただくとわかりやすいのですが、今回の記事を要約すると。

  • ボルボを準プレミアムからプレミアムに引き上げる
  • 顧客満足度の指標は 顧客リピート率
  • 定額支払いを主流にしたい
  • ディーゼルは本社方針
  • PHVだけでなくマイルドハイブリッドを合わせてディーゼルの穴を埋める
  • 自動運転はレベル3は行わない方針に変わりはない

といったところです。

気になったところは、”ボルボをプレミアムに引き上げる”、”顧客満足度の指標は顧客リピート率”、”ディーゼルは本社方針”の3つでした。

紹介している記事を引用しながら、どの辺が気になったのかを説明していきます。

顧客満足度を上げる努力

XC40 Car of the Year 受賞
出典:Volvo car japan

指標はリピート率

──顧客満足度が高いほうがよいということはわかるのですが、顧客満足度ってどう測っているのですか?

木村 顧客ロイヤルティです。つまり、ボルボオーナーのうちどれだけの方がボルボを再購入していただいたかで顧客満足度を測っています。

出典:exciteニュース

顧客満足度の指標がリピート率だ、という考え方は、一定の理解ができます。

購入したクルマのプロダクト、付随するサービスの充実により、もう一度同じメーカーの物を買おうと考える人は数多くいます。サービス品質を底上げするために、販売台数や品質の追いつかないディーラーの首切りをした事も、評価しても良いでしょう。

しかしそこに自ら水を差すような発言が入ってきます。

木村 私が就任するまで、日本法人は自社製品を準プレミアムと位置づけていたんです。上質で頑丈だがメルセデス・ベンツ、BMW、アウディほど高くない独自のポジションにあると。

私は就任初日に「このばかげた考えをやめろ。ボルボをプレミアムに引き上げるんだ」と伝えました。

出典:exciteニュース

気になるのは、クルマの買い替えには上昇志向が関わる事がある、という事が加味されているかどうかです。

例えばV40を持っていた人は、次はV60にしたい、S60がいい、など夢を持ちながらボルボライフを過ごします。

8年経った時、まずはボルボを見てから買い替えを考えよう、となったとします。そこで、準プレミアムからプレミアムに上がってしまったボルボの、上のモデルへの乗り換えという夢は叶うでしょうか。価格にして150万円アップしたとして、今の日本人は年収は果たして150万円上がりますか?

自分の手には届かないクルマになってしまった、と諦める人々が多くなるはずです。

また、私自身ボルボにプレミアムになってほしくない理由があります。

それは、安全性やデザインも含めて質実剛健なボルボが好きであること。輸入車でありながら贅沢しているように見えないこと。

ボルボをプレミアムにする。そういう意思をもって計画した結果、日本ではV90はV70の後継車に成れなかったのでは?

ボルボはレクサスではない

最近販売されるボルボの新車は、とても素敵です。ボルボの販売台数が伸びているのは、自動車が良くなったからで間違いありません。

中国資本が入り、潤沢な資金で様々な改革をしたのでしょう。過去の良いデザインを取り込み、現代風にアレンジして全く新しいボルボを作り上げました。

 

つまり、ボルボの販売台数増加は、ディーラーがプレミアムディーラーになったからではないのです。

目指すことはいいことですが、いままで培ってきた「ボルボ好き」との距離を開ける行為を、自ら行なっていることに気付くべきです。

 

以前、レクサスの立ち上げ時に、セールスさんが営業周りを禁止されている、と話に聞いた事があります。既存のお得意様を大事に出来ない方針に、セールスさんは大変苦労されたとの事。

そのレクサス立ち上げに、木村社長は関わっていましたね。

レクサスはいいんです。同じトヨタの中でも、トヨタ店やトヨペット店など、高級チャンネルはありますから。同じ系列の販売会社で担当し合えばよかったんです。こういう顧客のバックアップ体制、ボルボにはないでしょう?

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ボルボのエンジン戦略

volvo-engine-4cylinder
ボルボの素晴らしいDrive-Eエンジン

なぜディーゼルを販売しないのか

木村 本社も将来のエコ・パワートレーン・ポートフォリオの中でディーゼルを当面の重要なソリューションとして考えていたはずですが、15年に発覚したドイツメーカーのディーゼルスキャンダルが、まだまだ役割を担っていたはずのディーゼルの将来を壊してしまったのです。

出典:exciteニュース

耳を疑いたくなります。ドイツメーカーの?ディーゼルスキャンダル?

これはボルボ本社が言っているのでしょうか、ボルボ・カー・ジャパンが言っているのでしょうか。木村社長独自の発言でしょうか。

他人に責任を押し付けているとしか言いようがありません。

そもそも、自社のディーゼルに自信があれば、本来ビジネスチャンスだったはずなのです。「北欧ディーゼルは不正なし」と、販売に注力する事も出来たに違いないのです。

日本のように、ディーゼルであってもクリーンであれば高くても売れる、そういうエリアはあるのです。

しかしボルボはチャンスで手を引きます。結果、他の輸入車メーカーのディーゼル攻勢に痛い目に遭い始めています。

この判断でよかったのでしょうか?

戦略を練り直せる助け舟だった

結局これは、ディーゼルはもともと戦略ミスだったから、と考えられます。

エンジンの熟成についても、当初AdBlue(ディーゼルの排ガスと反応して浄化する媒体)無しでクリーンと宣伝していたものを、あとから対応しました。

日本でも、アイドリングストップが解除できない仕様へと変更されました。

このように見ると、Drive-Eのディーゼルエンジンは、実は不完全だった、と考えることができます。

もし、大々的にアメリカでディーゼルを販売していたら、重箱の隅をつつかれて不正と言われていたかもしれません。その時のダメージは計り知れませんね。

エンジンには不安がある?

もしくは、本当になにかあったのか。

本来ディーゼルで牽引させる予定であったエンジン戦略。それを販売縮小だなんて、開発費も含めれば相当な痛手です。

そこをやめた。割り切った。割り切らないといけない理由があった。

 

理由。時を同じくして、ボルボが割り切ったものがあります。

燃費です。

ディーゼルを出さないのであれば、燃費のいいガソリンエンジンを出さないと釣り合いが合いません。ところが、ディーゼル縮小を決めた2017年以降の新型車からはガソリンエンジンの燃費が相当に悪いのです。

T5エンジンの燃費
ボルボV90 14.4km/L 2016/2/18発表
ボルボXC60 12.6km/L 2017/3/27発表
ボルボXC40 12.4km/L 2017/9/21発表
ボルボV60 12.9km/L 2018/2/21発表

正しい燃費データを出してくれるのはありがたいのですが、ボルボは燃費だけ見れば、決してクリーンではないのです。

V90より燃費の悪いV60。これ、何なんでしょうね??

まさかボルボまで、排出ガス検査用プログラムなんて、仕込んではいませんよね?

リセールバリューの低下!?

朝日を浴びるV40
こんなにも美しいボルボ

木村 今、日本市場で何が起こっているかというと、弊社のV40の認定中古車のリセールバリューの落ち幅は、ガソリンよりもディーゼルのほうが大きいのです。

出典:exciteニュース

あわわわわわゎゎ!そりゃ、下がるでしょうよ!自分達でディーゼルノー!リセール悪いと言っているのですから!

ディーラー主導のネガティブキャンペーンなんて初めて聞きました!

結局、ディーゼルについてはこれ以上の話はなく、電動化に進みます。期待できるとすれば、マイルドハイブリッドとプラグインハイブリッドでディーゼルの穴を埋める、というところくらいです。

ボルボが気をつけないと行けないのは、マイルドハイブリッドの価格。ディーゼルと同じ、プラス25万円以下に抑えられるかどうかです。

プレミアムメーカーの電動化モデルだから、と言って、ガソリン比50万円なんて価格をつけたその日には。

消費者を馬鹿にするなと言われる事でしょう。

良いクルマと 嫌われっ子の販売会社

ボルボロゴ
誇らしげなボルボマークも少し寂しげ

美しく楽しいボルボも、扱う販売会社が悪ければ魅力も半減です。

私自身ボルボファンとして12年生きていますが、最近のVCJの活動方針にはハテナが付きます。

ディーゼルは自分たちが悪いわけではない。

プレミアムなディーラーになったおかげで新車が売れた。カーオブザイヤーが取れた。

これらは慢心と言わず、なんと言うのでしょうか。

今までのボルボ好きを捨てて、新たなボルボ好きを集めているのでしょうか?こんな破天荒な社長がいる会社のファンになる顧客。これぞまさしく、プレミアム顧客です。

お客様の声を聞いていますか?その結果を活動に反映させましたか?

クレームからの神対応は、強いファンになると言います。自分の想像以上の対応をされ、マイナス符号の掛け算のように真逆の気持ちになるそうです。

まだ、チャンスは残されています。ユーザーが離れてしまう前に、しっかりとした企業に戻ることを願っています。

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